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【最新】医療広告ガイドラインと違反事例をわかりやすく解説

コラム

医療広告ガイドラインと違反事例をわかりやすく解説「ホームページやSNSの投稿は規制対象なの?」「患者の声やビフォーアフター写真は掲載しても大丈夫?」と悩んでいませんか。

医療広告ガイドラインは改正が続いており、知らないうちに違反してしまう医療機関やクリニックも少なくありません。特に美容医療や歯科では、広告表現に対する規制が年々厳しくなっています。

この記事では、医療広告ガイドラインの基本から違反事例、限定解除の要件までをわかりやすく解説します。公開前のチェックリストも掲載するので、法令を遵守した広告運用に役立ててください。

医療広告ガイドラインとは

医療広告ガイドラインとは

医療広告ガイドラインは、患者が適切な医療サービスを選択できるように定められたルールです。医療法に基づいて運用されており、病院や診療所だけでなく、ホームページやSNSも対象となる場合があります。

目的は、患者に誤認を与える表現や誇大広告を防ぐことです。違反すると行政指導の対象になる可能性があるため、最新のガイドラインを理解しておきましょう。

ホームページやSNSも規制対象?

医療広告ガイドラインは、チラシや看板だけでなくホームページやSNSも対象になる場合があります。2018年の医療法改正以降、クリニックの公式サイトやInstagram、YouTubeなども規制の対象となりました。

特に美容医療や自由診療では、症例写真や治療効果の表現が問題になるケースも少なくありません。
そのため、「SNSだから規制されない」と考えるのではなく、掲載内容を確認することが重要です。

広告と判断される条件

広告と判断される条件は大きく2つあります。

厚生労働省では、「誘引性」と「特定性」の両方を満たす情報を広告として扱っています。

例えば、特定のクリニック名や所在地を掲載し、「診療予約はこちら」など受診を促す内容が記載されたホームページは、広告に該当する可能性があります。

つまり、医療機関が特定できることと、患者の受診を誘導する目的があることが広告判断の重要な基準です。

割引・キャンペーン表現はどこまでOK?違反事例は?

医療広告では、患者に誤認を与えるおそれのある表現が禁止されています。

実際に行政指導の対象となるケースもあるため、広告表現には十分な注意が必要です。特に自由診療では、費用や効果を強調した広告が問題になるケースも少なくありません。

ここでは、医療広告ガイドラインで注意したい表現と違反事例について解説します。

誇大広告・比較優良広告

実際に、厚生労働省が公表している「医療広告規制におけるウェブサイトの事例解説書」では、

「どんなに難しい手術でも必ず成功させます」「医療脱毛患者満足度99.9%」など、治療効果を断定したり客観的な根拠のない実績を示したりする表現が不適切な事例として紹介されています。

医療広告では、治療効果を断定したり、他院より優れていると強調したりする表現は原則として認められていません。患者に誤認を与える可能性があるため、客観的な根拠を示せない表現は避けましょう

(出典:厚生労働省「医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書」

口コミ・患者の声

患者の声や体験談を掲載する際は注意が必要です。

厚生労働省の「医療広告等ガイドラインに関するQ&A」では、治療内容や効果に関する体験談を、患者の受診を誘引する目的で掲載することは認められないとされています。

例えば、医療機関が患者に肯定的な口コミや体験談の投稿を依頼した場合は、広告規制の対象となる可能性があります。

患者の声を掲載する場合は、治療効果を保証するような表現や、誤認を招く内容になっていないか十分に確認しましょう。

(出典:厚生労働省「医療広告等ガイドラインに関するQ&A」Q1-18)

ビフォーアフター

ビフォーアフター写真の掲載には厳格なルールがあります。
実際に、厚生労働省の「医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書」では、施術前後の写真を掲載しながら、施術内容や費用、副作用・リスクなどの説明がなく、治療効果だけを強調していた事例が不適切な広告例として紹介されています。

写真だけでは、誰でも同じ治療結果が得られるような印象を与え、患者に誤認を与えるおそれがあります。

ビフォーアフター写真を掲載する場合は、施術内容や費用、主なリスク、副作用など必要な情報も併せて記載し、患者が適切に判断できる情報を提供することが重要です。

(出典:厚生労働省「医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書」)

割引・キャンペーン

厚生労働省の「医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書」では、「この夏おすすめ!特別プラン」や「新規入会キャンペーン」のように、キャンペーン性を強く打ち出して患者の受診を誘引する表現が、不適切な事例として紹介されています。

医療広告では、価格やキャンペーン性だけを強調するのではなく、診療内容や費用、リスクなど必要な情報も併せて記載し、患者が適切に判断できる内容にすることが重要です。

(出典:厚生労働省「医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書」)

限定解除とは?

医療広告では、本来広告できる内容が法律で決められています。

しかし、ホームページなど一定の条件を満たした媒体では、通常は広告できない治療内容や症例情報なども掲載できる場合があります。この仕組みを「限定解除」といいます。

特に美容医療や自由診療を行うクリニックでは、治療内容や費用を詳しく説明するために限定解除の理解が欠かせません。

限定解除要件とは?

限定解除を適用するためには、患者が必要な情報を十分に確認できる環境を整える必要があります。

厚生労働省では、患者が自ら求めて情報を閲覧できることに加え、問い合わせ先の明示や、自由診療の場合は治療内容・費用・標準的な治療回数・治療期間・主なリスクや副作用などの情報を適切に掲載することが求められています。

つまり、ホームページだから自由に何でも掲載できるわけではなく、限定解除の要件を満たしたうえで情報提供を行う必要があります

自由診療で必要な記載

自由診療では、患者が適切に治療を選択できるよう、必要な情報を分かりやすく記載することが求められています。

掲載する際は、施術費用だけでなく、標準的な治療回数や治療期間なども明示することが重要です。また、未承認医薬品や未承認医療機器を使用する場合は、未承認である旨や入手経路などの情報も記載する必要があります。

費用だけを掲載するのではなく、患者が治療内容を正しく理解できる情報を併せて掲載しましょう。

副作用・リスク表示

副作用やリスクの表示は欠かせません。メリットだけを強調すると、患者が適切な判断をできなくなるためです。

例えば、手術後の腫れや内出血、痛みなど、想定される副作用やリスクは具体的に説明する必要があります。また、自由診療では治療効果だけでなく、患者が不利益となる可能性のある情報も併せて掲載することが求められています。

治療効果だけでなくリスクも正しく伝えることが、ガイドラインに沿った情報発信につながります。

違反したらどうなるの?

違反したらどうなるの?

医療広告ガイドラインに違反した場合、行政指導や是正命令の対象となる可能性があります。近年は監視体制も強化されており、SNSやウェブサイトも確認されています。

主なリスクは以下の2つです。

  • 行政指導・罰則
  • ネットパトロール・通報

厚生労働省のネットパトロールでは、令和2年度に952サイト・3,474件の医療広告規制違反が確認されました。

違反が確認された医療機関には自主的な改善が促され、改善されない場合は自治体へ情報提供され、行政指導などにつながる場合があります。

違反は決して珍しいものではなく、公開前の確認が重要です。広告作成時は法令遵守を意識し、公開前の確認を徹底しましょう

行政指導・罰則

違反内容によっては行政指導を受ける可能性があります。
理由としては、医療法に違反する広告を放置すると患者保護の観点から問題になるためです。

実際に、虚偽広告や誇大広告が確認された場合には、改善指導や中止命令が行われることがあります。悪質なケースでは罰則の対象となる可能性もあるため注意が必要です。

ネットパトロール・通報

現在は厚生労働省や自治体によるネットパトロールが行われており、ホームページやSNSの広告表現も確認されています。

また、一般利用者や競合医療機関からの通報をきっかけに調査が行われるケースもあります。
そのため、公開後も継続的なチェック体制が重要です。

厚労省のQ&Aで実際によく聞かれるポイント

厚生労働省が公開している「医療広告ガイドラインに関するQ&A」には、現場で判断に迷いやすい事例が数多く掲載されています。

特に専門医資格の表示や診療科名の表記、自由診療の料金表示などは誤った運用が行われやすい項目です。

ここでは、実務で確認しておきたいポイントをわかりやすく解説します。

Q&A

専門医・認定医は広告できる?

専門医や認定医の資格は、一定の条件を満たしていれば広告できます。

ただし、すべての資格が広告可能なわけではありません。

例えば、日本専門医機構が認定する専門医資格など、厚生労働省が定める基準を満たした資格のみ表示が認められています。

資格名を掲載する際は、広告可能な資格に該当するか事前に確認しましょう。

診療科名・専門外来は自由に表示できる?

診療科名や専門外来の表記にも注意が必要です。

医療機関が標榜できる診療科名は医療法で定められており、自由に名称を作成できるわけではありません。

また、「〇〇専門外来」と表記する場合も、患者に誤解を与えない内容であることが求められます。

診療内容を分かりやすく伝えることは重要ですが、実態と異なる表現は避けましょう

自由診療の料金はどこまで記載する?

自由診療では料金の明示が重要です。

患者が診療内容や費用を比較検討できるよう、施術ごとの費用を分かりやすく記載する必要があります。

また、料金だけでなく、標準的な治療回数治療内容についても併せて説明することが望ましいとされています。

費用を掲載する際は、患者が誤解しない情報提供を心掛けましょう。

未承認医薬品・医療機器は掲載できる?

未承認医薬品や未承認医療機器に関する情報を掲載する場合は慎重な対応が必要です。

患者が国内で承認されている治療と誤認しないよう、未承認である旨入手経路想定されるリスクなどを適切に記載しなければなりません。

特に美容医療では未承認機器や薬剤が使用されるケースもあるため、ガイドラインに沿った情報開示が求められます。

掲載前には必要事項が不足していないか確認しましょう。

公開前チェックリスト

医療広告は公開後に修正するよりも、公開前に確認する方が効率的です。

以下のチェックリストを使って最終確認を行いましょう。

チェックリスト

 誇大広告になっていないか

  • 「絶対に治る」「必ず改善する」などの表現を使用していない
  • 「No.1」「最高水準」など客観的根拠のない表現を使用していない
  • 他院と比較して優位性を強調していない

リスクや副作用を記載しているか

  • 自由診療のリスクや副作用を記載している
  • メリットだけを強調していない
  • 患者が適切に判断できる情報を提供している

自由診療の費用を記載しているか

  • 施術費用を明記している
  • 追加費用の有無が分かる
  • 患者が料金を把握できる内容になっている

患者に誤認を与える表現がないか

  • 症例写真だけを掲載していない
  • 口コミのみで効果を訴求していない
  • 実際の診療内容と異なる表現がない

限定解除の要件を満たしているか

  • 問い合わせ先を明示している
  • 患者が必要な情報を確認できる状態になっている
  • 自由診療に必要な情報を掲載している

専門医・認定医の表記は適切か

  • 広告可能な資格を掲載している
  • 資格名を正確に記載している
  • 誤解を招く肩書きを使用していない

SNSやホームページも確認したか

  • InstagramやXなどの投稿も確認した
  • キャンペーン表現を見直した
  • 最新の医療広告ガイドラインに沿っている

医療広告ガイドラインについてのまとめ

医療広告ガイドラインは、患者が正しい情報をもとに医療サービスを選択できるよう定められたルールです。

現在はチラシや看板だけでなく、ホームページやSNSも規制対象となるため、医療機関は情報発信の内容を十分に確認する必要があります。

特に、誇大広告や患者の声の掲載、ビフォーアフター写真、キャンペーン表現などは違反につながりやすいため注意が必要です。また、自由診療では費用やリスクの明示、限定解除の要件を満たした情報掲載も欠かせません。

広告は公開して終わりではなく、定期的な見直しも重要です。この記事で紹介したチェックリストを活用しながら、医療広告ガイドラインに沿った適切な情報発信を行いましょう。

掲載内容に迷う場合は、厚生労働省が公表している「医療広告ガイドライン」や「医療広告ガイドラインに関するQ&A」も確認し、最新のルールに沿って運用していくことが大切です。

※本記事は2026年6月時点で公開されている厚生労働省の資料をもとに作成しています。

<参考資料>

・厚生労働省「医療法における病院等の広告規制について」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/kokokukisei/index.html

・厚生労働省「医療広告ガイドラインに関するQ&A」

https://www.mhlw.go.jp/content/001683595.pdf

・厚生労働省「医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書」

https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001338334.pdf



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