沖縄トランプ株式会社

歯科医院ホームページ改善のためのGoogleアナリティクス(GA4)活用ガイド

「GA4は入れたけれど、何を見ればいいか分からない」

「アクセス数はあるのに、なぜか予約が増えない」

歯科医院のホームページを運営する担当者の中には、こうしたモヤモヤを抱えている方も多いのではないでしょうか。

GA4で行うアクセス解析は、Webサイトの状態をデータで「定期検診」するようなものです。歯科医院では、患者さんの現在の状態を把握した上で最適な治療方法を選択しますよね。ホームページの運営もまったく同じです。

どれだけ見た目の良いサイトでも、データに基づかずに改善を行うのは、手探りで治療を進めるようなもの。ホームページ運営においても、感覚や経験だけに頼るのではなく、数字で実態をつかむことが必要です。

アクセス解析の大切さを知っていただくために、私のクライアントの事例を紹介しましょう。ある人材サービス会社では、数万PVもある自社サイトに求人バナーを貼り、求職者を募集していました。ところが、いつまで経っても応募がない。

そこでGoogleアナリティクスで調べたところ、「ホームページへの訪問者の9割がスマートフォンから」だということがわかりました。求人バナーはサイドバーに掲載していたのですが、実はこの場所はスマートフォン表示にした時にはホームページの下に回り込んでしまう仕様になっていたのです。

パソコンの画面ではよく見える場所でも、スマホではほとんど見えない場所にあったことで、クリック数がほとんどゼロという事態が起きていたということです。早速バナー位置をスマートフォンでも見やすい場所に移動したことで、これまでゼロだった応募数は月に数十件にまで改善しました。

これは他人事ではありません。歯科医院でも同じように、電話番号や予約フォームの位置や見せ方によって、成果が大きく変わることがあります。そしてその改善の起点となるのが、GA4によるデータ分析です。

とはいえ、「GA4って複雑そう」「見るべき場所が多すぎて混乱する」と感じる方も多いはずです。安心してください。見るべきポイントは、実はそれほど多くありません。最初は以下の3つの視点を持っているだけでも、色々なことがわかってきます。

・誰が

・どこから来て

・どんな行動を取ったのか

では、歯科医院のホームページ担当者がGA4でチェックすべき3つの視点を、それぞれ見ていきましょう。

この記事の筆者について ボーダーヘイズ・ジャパン合同会社 代表、WACA認定ウェブ解析士 「Webマーケティングの民主化」をミッションに、中小企業やスモールビジネス向けにノウハウを伝授しています。オウンドメディア「Web改善のレシピ」やUdemyオンライン講座などを通じ、Webサイトの成果改善に悩む方々を支援しています。

「誰が」サイトを訪れているのかを知る

歯科医院のWeb改善において、最初に見るべきは「どんなユーザーがホームページを訪れているか」です。誰に向けて情報を届けるべきかを見誤ると、いくらデザインを整えても効果は出ません。ターゲット像のズレは、集患のチャンスを逃す原因になります。

例えば高齢の患者さんが多いのに、文字が小さく見づらいサイトにしていませんか?こうした場合、患者さんは「サイトが見づらいよ」と教えてはくれません。単にホームページから離脱し、わかりやすい記載をしている医院に流れていくだけです。

こうした事態を防ぐために、最初に「どのような人がホームページを見ているのか」を把握しておきましょう。

GA4には、ユーザーの年齢や性別、使用しているデバイスなどを確認できる「ユーザー属性」レポートや「テクノロジー」レポートがあります。

たとえば、子育て世代の親をメインターゲットにしている歯科医院で、実際には高齢者ばかりが訪問しているということがデータからわかることもあります。もしそうであれば、コンテンツや打ち出し方を見直す必要があるでしょう。

もう1つ注目したいのが「デバイスカテゴリ」です。歯科医院のホームページの場合、多くのユーザーがスマートフォンからアクセスしているはずです。ところが、制作者側はパソコン画面を見ながらデザインをしますので、実際のユーザーが見ている画面との乖離が起きやすくなります。

冒頭でも書いた「スマホでは見えないバナー」のようなことが、あなたのサイトでも起きていないか、一度確認してみてください。

デバイスカテゴリを確認するためには、テクノロジーレポートの中の「ユーザーの環境」から見ることができます。

スマートフォンでの表示崩れや、ボタンの押しにくさなど、モバイル特有の問題点は見落とされがちです。サイト制作を依頼する場合にも、「スマートフォンでどのように表示されるのか」という視点で完成イメージを持つようにしてください。

「どこから」ユーザーが来ているのかを知る

ホームページの利用者像を把握できたら、今度は「患者さんはどこから来ているのか」を見ていきましょう。「どこから」というのは、ホームページを見つけた経路のことです。例えば検索エンジンから訪れたのか、それともSNSの発信から見つけてもらったのか、あるいは最近では生成AIからのアクセスも増えてきました。

どんな流入経路から訪れたユーザーが予約につながりやすいのかを把握することで、今後取るべき集客戦略も見えてきます。

GA4では、ユーザーの流入経路を調べる機能が備わっています。以下の手順で、流入経路を見てみましょう。

ただし、ここで注意したいのは、デフォルトの状態では「経路別のアクセス数」といった情報しかわからないという点です。「どこから訪れたユーザーが予約に至ったのか」という詳細情報は、あらかじめ「イベント設定」を行っていなければ把握できません。こうしたイベント設定ついてはハードルを感じるかもしれません。

以下の記事に方法をまとめておきましたので、こちらもあわせてご覧ください。

歯科医院がやっておくべきGA4の2つのイベント設定

ホームページへのアクセスで重要なのは「数」より「質」です。SNSから月に300人訪れていても、予約に至っていないのであれば、その集客は「表面的なにぎわい」でしかありません。一方で、ある地域情報サイトからの月50人の流入が、予約につながる確率が高いのであれば、そのチャネルは注力すべき「勝ち筋」といえます。

この視点を持つことで、「アクセスが多い=成果が出ている」という誤解を防ぎ、成果につながるチャネルに的確に投資する判断ができるようになります。

予約や問い合わせにつながる「行動」を知る

Webサイトを改善するためには、ユーザーがどのページをよく見ているのか、まずは「行動の全体像」を把握するのが近道です。「トップページの滞在時間は長いのか?」「診療案内のページは見られているか?」といった基本的な視点でも、多くのヒントが得られます。

例えば、各ページが長い時間見られているのに、一向に予約が入らないということは、「電話番号が見つけにくい」「情報に誤りがある」などといったエラーも考えられます。レポートを見ながらページを確認していくだけでも、多くの気づきが得られるはずです。

GA4には「ページとスクリーン」というレポートがあり、各ページの閲覧回数や平均エンゲージメント時間などを確認できます。ここから「よく見られているページ」「あまり見られていないページ」を把握し、どの情報に興味を持たれているのかを探るのが、行動分析の第一歩です。

そして、もう一歩踏み込むなら、予約や問い合わせなど「成果につながる行動」を数字で見える化することが重要です。たとえば、予約フォームにたどり着いたかどうか、フォームを最後まで送信したかどうかといった情報は、GA4のデフォルト機能だけでは詳しく計測できません。

そこで登場するのが、前のセクションでも触れた「イベント」の設定です。「フォーム到達」「フォーム送信完了」「電話番号のクリック」「LINEボタンのタップ」など、ユーザーの具体的な行動をイベントとして記録することで、「どのページがユーザーからの反応が出やすい」といった情報を把握できます。

たとえば、フォームの到達数に対して完了数が極端に少ない場合、「入力項目が多すぎる」「スマートフォンで使いにくい」といった問題が隠れている可能性があります。逆に、フォームへの移動が少ないのであれば、サイトの目立つ場所にバナーやボタンを設置するなど、動線を工夫などの施策を考えられます。

このように、最初は「どのページが見られているか」を把握するところからスタートし、慣れてきたら「どんな行動が行われているか」まで視野を広げていく。そんな段階的なアプローチが、歯科医院のホームページ改善には効果的です。

イベント設定は少し難易度が高いかもしれませんが、ホームページにアクセスが集まるようになったら、ぜひ挑戦してみてください。

 

まとめ

GA4を活用したアクセス解析では、「誰が」「どこから来て」「どんな行動を取っているか」の3つの視点からデータを読み解くことが重要です。最初のうちは、この基本的な観点をもとに、ホームページの状態を可視化するだけでも十分な価値があります。

しかし、データを見続けていくうちに、「この動きも計測できないだろうか?」「もっと細かくユーザーの行動を知りたい」といった、新たな疑問や欲求が出てくるはずです。そうしたタイミングこそ、イベント設定を見直し、計測項目をアップデートしていく絶好の機会です。

アクセス解析は一度やって終わりではありません。数字を読み、仮説を立て、改善し、また検証する。その繰り返しの中で、ホームページは少しずつ「成果の出る仕組み」へと育っていきます。

とはいえ、すべてを一人で抱え込む必要はありません。「設定がうまくできない」「自分の分析が正しいのか不安」そんなときには、ぜひ私たちにご相談ください。現場の状況に即した、実践的なサポートをご提供しています。

無料分析も随時受け付けておりますので、サイトの運営にお困りの方は、お問い合わせボタンから、一度お問い合わせください。

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